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HLA B27陽性虹彩毛様体炎における後眼部の障害
原田 敬志
1
1名古屋大
pp.1275
発行日 1989年8月15日
Published Date 1989/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210925
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対象は,HLA B27陽性で1回以上の急性前部ぶどう膜炎発作を経験した46名で,男性36名,女性10名である。多数例を扱い,硝子体手術の成績が述べられている点が有用である。男性では,強直性脊椎炎がほぼ半数にみられるが,女性ではほとんどみられない。両側性は57%,片側が44%であった。硝子体炎は63%に発生し,乳頭炎は17%に,血管炎は4%にみられた。高度な硝子体炎のある10眼に硝子体手術を行い,平均14ヵ月経過を観察した。視力は5例で改善,4例で悪化した。炎症は不変3例,減少6例であり,術後2例で牽引性網膜剥離が生じ,1例でCMEの悪化がみられた。硝子体の糸状物と網膜上増殖組織が2例に認められた。
最初の眼発作から硝子体切除術までは,6ヵ月が60%であった。CMEが術後かえって悪化した症例では,肥厚した後部硝子体が残存し,黄斑部から剥離していないことが原因と考えられた。
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