ウェットラボでのトレーニングに役立つ豚眼の解剖の基礎知識
5.虹彩・毛様体・Zinn小帯
住岡 孝吉
1
1和歌山県立医科大学眼科学教室
pp.51-54
発行日 2022年1月5日
Published Date 2022/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002458
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虹彩はぶどう膜の最前部にあり前房と後房を隔てている血管が豊富な組織で,中央に瞳孔があり眼内に入る光の量を調整している。虹彩は瞳孔括約筋により縮瞳し瞳孔散大筋により散瞳する。瞳孔括約筋は瞳孔を輪状に取り囲んでおり,瞳孔散大筋は瞳孔付近から虹彩根部にかけ放射状に配列されている。虹彩は前方から見ると瞳孔縁で生理的に少し外反しており,虹彩の前面には隆起や溝が存在し,虹彩紋理と呼ばれ個々によりさまざまな模様を呈する(図1A)。虹彩は大別すると実質と上皮細胞層に分けられ,虹彩実質は血管とメラニン細胞を含む疎な結合織からなり,上皮細胞層は虹彩の後面に2層の色素上皮細胞を構成する1)~4)(図2A, B,図3A, B)。
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