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特集 第41回日本臨床眼科学会講演集 (1)
学術展示
ステロイド非投与による実質型角膜ヘルペスの予後消炎後の角膜後遺症の検討
Prognosis of herpetic stromal keratitis following non-corticosteroid treatments
北川 和子
1
,
山村 敏明
1
,
佐々木 一之
1
Kazuko Kitagawa
1
,
Toshiaki Yamamura
1
,
Kazuyuki Sasaki
1
1金沢医科大学
pp.148-149
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210269
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- Abstract 文献概要
実質型角膜ヘルペスの治療に際してのステロイド剤の併用に関しては古くより議論のあるところであるが1),著者らは以前よりステロイド非投与の立場でその治療を行ってきている2).本治療方法の最大の利点は当然のことながら,ステロイド依存症が出現しないことであり,ステロイド漸減に伴う再燃や増悪にわずらわされることもない.ステロイドを投与しない場合,炎症がより高度となり,眼圧上昇を来したり,また角膜の瘢痕形成や血管新生が出現しやすいとの考えもあるが,今回非ステロイド療法による本疾患の治療成績につき,視力および角膜後遺症を中心に検討してみたのでここに報告する.
対象 は1980年より1986年までの7年間に金沢医科大学病院を受診した実質型角膜ヘルペス患者であり,内訳は男性31例,女性13例,平均年齢は48歳で,病型別分類では実質性角膜炎29例,円板状角膜炎9例,混合感染例6例であった.治療内容は抗ウイルス剤,散瞳剤の点眼が主体であり,一部の症例で消炎剤(pranoprofen)点眼,レバミゾール内服,アシクロビル点滴静注等を併用したが,いずれの症例でもステロイド剤は局所,全身ともに全く投与はしなかった.また必要に応じ,抗生物質の投与を行った.
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