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ぶどう膜,他
大野 重昭
1
1北大
pp.344-347
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209984
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動物における実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAu)モデルの開発により,ヒトの内因性ぶどう膜炎の免疫病態の理解がさらに深まりつつある.本研究では従来のS抗原とは異なる網膜由来の糖蛋白であるinterphotoreceptor retinoid-bindingprotein (IRBP)を抗原に用い,6頭のサルに皮内注射したところ,全例がEAuを発症したという.とくに網膜血管の白鞘化,眼底後極部に始まる白斑が著明で,これらは螢光眼底造影でも色素の漏出,貯留として認められている.病理組織像では視細胞外節の炎症,脈絡膜の高度細胞浸潤がみられ,類上皮細胞や巨細胞からなる肉芽腫も多かった.また,Dalen-Fuchs結節も散在していた.このほか,松果体にも著明なリンパ球浸潤を伴う炎症像が認められた.これらの所見はヒトの交感性眼炎や原田病に一部類似しており,ぶどう膜炎の病因に網膜抗原が関与している可能性を示唆する興味深い新知見と思われる.
Hirose S et al : Uveitis induced in primated by interphotoreceptor retinoid-binding protein. Arch Ophthalmol 104 : 1698-1702, 1986
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