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ぶどう膜,他
大野 重昭
1
1北大
pp.246-247
発行日 1986年3月15日
Published Date 1986/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209644
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O'Connor GR : Heterochromic iridocyclitis. Trans Ophthalmol Soc UK 104 : 219-231, 1985 虹彩異色性虹彩毛様体炎は日本人のようなbrowneyeでは見逃されやすいが,著者は本病の臨床像の特徴を詳細に解説している.そして従来知られていた所見に加え,(1)虹彩実質および色素上皮の萎縮,(2)不鮮明な虹彩紋理,(3)瞳孔散大または不正円化,(4)前部硝子体中の少数の炎症細胞,の四つの所見を新たにあげている.本病患者の局所hypoxiaは螢光虹彩所見により明らかにされているが,これが新生血管の原因であると同時に,本病の病因に深く関与している可能性を述べている.本病が炎症ではなく変性ではないか,との考えに対しては,光顕および電顕所見から,やはり炎症であるとの立場を明確にし,抑制T細胞の機能低下による免疫異常の関与を示唆している.治療は通常ステロイドが無効であり,白内障や緑内障の合併が問題となる.白内障の手術成績は良好であるが,緑内障は難治性で手術も奏効しない例がある.今後さらに研究すべき興味深い疾患である.
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