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マイクロコンピューターを用いた数字刺激により,誘発される事象関連電位(P300)の基本的な問題と臨床応用の価値について検討した。
正常者において,P300成分は注意を向けた課題関連刺激のみに出現することから,この波形は内因性の反応であり,選択的注意を表現したものと考えられた。またこの振幅が左半球で大きい傾向を示したことより,計数中枢が左半球優位であることとの関連が示唆された。
痴呆患者において,臨床症状が改善した例ではP300頂点潜時の短縮と振幅の増大傾向が認められ,課題が不可能な場合にはP300成分は出現しなかった。
以上のことより,数字刺激は事象関連電位の刺激方法として適当であり,知能障害のある患者の経過について治療効果を判定する一つの指標とすることができる。
Event-related potentials (ERPs) evoked by a visual discrimination task were recorded from 10 normal adult subjects and 6 patients with dementia. A sequence of 50 numerals, which consisted of 15odd numerals and 35 even ones, was randomly arranged and was displayed on the TV screen of a personal computer. Subjects were asked to count the occurrences of odd numerals.
Comparison was carried out on the signal condi-tion (triggered at odd numerals) with the non-signal condition (triggered at even numerals) in 10 normal subjects.
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