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特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その3)
学術展示
網膜脈絡膜萎縮症の後極部病変に関する研究—第2報斑状病巣について
Studies on retinochoroidal atrophies of posterior regions:II. Patchy lesions
小見山 知之
1
Tomoyuki Komiyama
1
1岡山大学医学部眼科学教室
pp.430-431
発行日 1984年4月15日
Published Date 1984/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209147
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緒言網膜脈絡膜萎縮症は各種原因により生じ,種々の形態変化を呈する。前報1)にて各種萎縮症における部位別頻度の特性を検討したが,その際,1/2〜1/5乳頭径大で,視機能にも影響を及ぼす斑状病巣が,強度近視等によくみられた。この斑状病巣は,脈絡膜血管に関する諸研究2)より脈絡膜循環障害を反映すると考えられ,その病態の究明は,網膜脈絡膜萎縮症の発症および進行の予防にも有益である。そこで今回,この斑状病巣の特微および脈絡膜循環との関速につき,臨床的に検討した。
対象と方法対象は1980年10月から1983年4月までの2年7カ月間に岡山大学眼科外来を受診し,原因を間わず,主として後極部に何らかの網膜脈絡膜萎縮症を認め,螢光眼底撮影にて詳細に萎縮巣が判読できた162例250眼である。対象範囲は乳頭耳側8乳頭径,鼻側7乳頭径,上下7乳頭径までとし,光凝固等の人工的萎縮および周辺部に病変の主体のあったものは除外した。これらの症例に対し,検眼鏡的検査および螢光眼底撮影を行い,このうち1/2〜1/5乳頭径大の斑状病巣のみられるものにつき検討した。また強度近視等に多い大きな変性でも辺縁が斑状なものは,斑状病巣の集合したものとして扱かった。
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