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特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
学術展示
全眼球炎の統計的観察
A statistical analysis of panophthalmitis
秦野 寛
1
,
磯部 裕
1
,
佐々木 隆敏
1
,
田中 直彦
1
Hiroshi Hatano
1
,
Yutaka Isobe
1
,
Takatoshi Sasaki
1
,
Naohiko Tanaka
1
1横浜市立大学眼科学教室
1Department of Ophthalmology, School of Medicine, Yokohama City University
pp.806-807
発行日 1982年7月15日
Published Date 1982/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208656
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- Abstract 文献概要
細菌および真菌による全眼球炎は重篤で,化学療法の発達した今日でも,なおその予後が極めて不良な眼感染症である。今回我々は過去11年間に経験した本症35例35眼についての統計的観察を行い,あわせて早期診断の一助としてグラム陰性菌のエンドトキシン検出試験であるリムルステストを一部の症例に試み,その意義について検討した。
(1)誘因(表1):35例35眼の感染経路よりみた内訳は外傷性14眼,術後感染14眼,軽移性6眼,不明1眼であり,さらにそれぞれの内訳をみると外傷性は全て穿孔性外傷で,うち8眼が眼内異物によるものであった。術後感染は13眼が緑内障濾過手術後発感染,1眼が白内障全摘術後発感染であり,術後から発症までの期間は最短1年4カ月,最長18年で,平均9年3カ月であった。転移性は2例が膀胱炎由来のものと考えられ,残り4例の原発病巣は不明であった。糖尿病の合併は外傷性0,術後感染1,転移性2例で合併率は全体で9%であった。性別については,男性21眼女性14眼で3対2と男性優位で,さらに誘因別にみると外傷性は大半が男性で,術後感染は男女同数,転移性は女性が多いという傾向を示した。
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