連載 眼科図譜・292
Hintere Krokodilchagrin (Vogt)の1例
原田 敬志
1
,
三浦 元也
1
,
森 林平
1
,
水野 計彦
1
,
伊藤 桂子
1
Takashi Harada
1
,
Motoya Miura
1
,
Rinpei Mori
1
,
Kazuhiko Mizuno
1
,
Keiko Ito
1
1名古屋大学医学部眼科学教室
1Department of Ophthalmology, Nagoya University School of Medicine
pp.182-183
発行日 1982年3月15日
Published Date 1982/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208527
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角膜dystrophyのうち角膜実質より後部を侵すものについては,日常臨床でもなかなか遭遇できないため,病理学的・生化学的に十分研究されていない。
今回きわめてまれなhintere Krokodilchagrin (Vogt)の1例を経験したので,その臨床像を紹介し考察を加える。本症を最初に記載したWeizenblattの6例はいずれも両側性で,角膜中央部にある混濁は実質深層に位置し,個々の灰色をした三角形ないし六角形の班から構成され,これはまた6ないし9個集合してロゼットを形成している。刺激症状もなく,あってもほんのわずかな視機能の障害しかみられなかった。Vogtは自内障のある高齢の女性で,やはり敷石様に配列した柔らかそうな灰白色の混濁が濃い間道で境される,デスメ膜近辺の特色ある角膜混濁を認め,狭光東における図でその詳細を説明した。
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