Japanese
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連載 眼科図譜・276
球結膜切除術が有効であった難治性蚕蝕性角膜潰瘍の3例
Three relently progressive Mooreres ulcers successively treated by conjunctival excision
西 麗子
1
,
千原 悦夫
1
,
浅山 邦夫
1
,
塚原 勇
1
Reiko Nishi
1
,
Etsuo Chihara
1
,
Kunio Asayama
1
,
Isamu Tsukahara
1
1京都大学医学部眼科学教室
1Department of Ophthalmology, Faculty of Medicine, Kyoto University
pp.1494-1495
発行日 1980年11月15日
Published Date 1980/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208210
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- Abstract 文献概要
蚕蝕性角膜潰瘍は,進行性で難治の疾患である。従来より結膜弁被覆術,角膜移植術等,種々の治療法が試みられてきた。本症は治療に比較的良く反応する型と,急速に失明に到る重篤な型(激症型と称す)とがある。後者は両隈性で比較的若年者に多いといわれている。われわれは最近3年間に,1眼ほ既に本症のために失明した激症型の3症例の残された1眼に,数回の球結膜切除術を施行した。全例失明をまぬがれ,ほぼ満足すべき結果が得られた,これら3症例のなかで症例1は最も症状が重篤でかつ本症の典型的な臨床像を呈した。さらに症例1の失明眼は組織学的検査を施行し,興味ある知見をえた。本症の病理組織学的検索報告は内外ともに少なく,非常に貴重な1症例と考えられるので報告する。
症例:T.S.,53歳,男子。
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