連載 眼科臨床レントゲン診断学・1【新連載】
撮影法(その1):後→前方向撮影
戸塚 清
1
1関東逓信病院
pp.150-151
発行日 1978年1月15日
Published Date 1978/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207571
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はじめに
従来から眼科ではレントゲン診断は余り重視されていない。その理由は二つあると思う。一つは,眼科ではX線によらないで,生体に起る病変の諸相を,直接肉眼で,または光学器械で良く覗い知りうること,二つは,陰影複雑な眼窩骨壁等に囲まれているために,C.T.等の場合を除いては,眼窩内容をなす諸組織が総てほぼ均一の影像しか与えないことである。
しかし眼科においてもレントゲン診断は必要であり,1)外傷で透光体の何れかの部分に混濁,あるいは出血等が起つたために眼球内部を覗きえぬような際に,そこに異物の侵入,留止を確めたい場含,2)種々の眼疾患脳疾患,あるいは外傷等の際に,眼窩壁,視神経管,あるいは頭蓋内の変化の有無を確めたい場合,3)涙道の変化を確めたい場合,4) X線写真を多数統計して人類学的統測を行う場合等は特に重要である。
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