Japanese
English
総説
色覚の発生機序
Neurophysiology of Color Vision Mechanism
御手洗 玄洋
1
Genyo Mitarai
1
1名古屋大学環境医学研究所
1Research Institute of Environmental Medicine, Nagoya University
pp.1123-1133
発行日 1977年9月15日
Published Date 1977/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207491
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はじめに
20年前であつたら色覚の発生機序を神経生理学に問うことなど何もなかつたであろう。
当時ですら,色覚はまだ遠い心理現象であつた。しかし以後のわずかな間に数々の発見が相次いで,その問いがいまここに向けられるようになつたのは,同じ期問これにかかわりをもつた者にとつて大きな感慨である。もちろんこの発展は,色盲の研究,心理物理的研究,視物質の化学などことなつた多くの分野の研究から独立したものではない。ただこれらとの関連の上に解説することは到底筆者の能力の範囲でないので,ここではかかわつた範囲の神経生理学だけからの答案を書いて責をふさぐことにしたい。
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