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日本トラホーム予防協会会誌
Trachomaの診断基準,分類法(特に潜伏期,初発症候)に対する私見(下)
On diagnostic standard and classification of trachoma (Part 3)
金田 利平
1
Rihei Kaneda
1
1札幌天使病院眼科
1Sapporo Tenshi Hospital
pp.5-7
発行日 1961年6月15日
Published Date 1961/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207256
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病期に対する私見
1.急性トラコーマ(Tr. ac.)
Tr.とは本誌に記載されてあるTr.Ⅰ,Ⅱ,Ⅲをいうのである。急性Tr,なんかという疾病は地球上にないのだから抹殺すべぎである。急性Tr.なる病名を使用し,存続せしめんとするからTr.問題が益々混乱し複雑怪奇になるのである。
結膜に著明な充血,浮腫,分泌,乳頭増殖,顆粒を認め,封入体(Prowazek小体)を証明する急性または亜急性の症状を呈する結膜炎をみたら所謂封入体性急性結膜炎とでも診断をつけておくべきであろう。Prowazek小体,封入体というものが厳密な意味に於て純粋分離が出来ていない現在即ち封入体,Prowazek小体というものの本態が完全にわかつていない現在では封入体性結膜炎という診断も純学問的には飛躍であり,軽率であろうが所謂封入体性結膜炎とでもいつておけばよいと私は考えています。
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