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I.緒言
眼疾患の治療に放射線治療をとり入れたのは,Mayou (1902)と言われているが,我が国でも水尾(1910)以来その応用範囲が拡げられ,その有用性が重視されてきた。しかし,一方その際の障害についても,Mayou (1902)以来問題としてとりあげられてきたが,眼科領域においてはその照射部位が小さいこと,及び全身的影響が比較的少いことなどの理由で,我が国ではその防護については,飯塚慶二(1931),戸塚清(1944)らの報告があるにすぎない。しかしこの眼科的障害はなお見逃し得ないものがあり,放射線の質と量によつては,広島,長崎の原子爆弾の例に見るまでもなく,慢性障害としての白内障の発生が放射線障害のうちの一つの命題として,当然登場すべきものである。現在すでにこれはICRPの勧告の中にもとりあげられ,その防護が注意されている。そこで,この意味をも含めて私達は今回,放射線治療時における防護義眼を作成し,臨床的に使用する機会を得たので報告しようと思う。
A comparative study was made of the protective effects of gold and lead contact shie-lds on radiation injury of the eye.
The in-vitro experiment revealed that a gold contact shield provided 2~2.5 times more pronounced protection than a lead contact shield.
It was clinically revealed that a goldcontact shield was favorably used in a case of palpebral cancer and in two cases of palpebral cavernous angioma.
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