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1.球面収差について
(1)はじめに
従来かけめがねレンズの収差については多くの報告がある。しかし,最近多く用いられるようになつたコンタクトレンズについては,1955年に中島教授が球面収差,色収差,非点収差等について詳細な検討を加えておられるが,一般に少ないようである。小型角膜コンタクトレンズはベースカーブを角膜表面にあわせるため,かけめがねレンズに比して強いメニスカスレンズとなり,眼の回転中心までの距離が短かくなる。そのために光学系の収差論より斜収差(非点収差,彎曲,コマ,歪曲収差)は良くなるかもしれないが,球面収差が大きくなる事が予想される。かけめがねレンズは球面収差を十分小さくし,非点収差をゼロにする条件よりウオラストン型とオストワルド型の二つの型が生まれ,コマと歪曲を少なくする事が考慮されて来た。コンタクトレンズはその特有なフィッティングと屈折力を合せる事の2等件でレンズの型が定まつてしまうので,上述の予想よりも球面収差が非常に大きいと考えられる。また取扱いも球面収差が最もやさしいので,薄肉レンズの範囲で検討してみる事にする。勿論,コンタクトレンズは強いメニスカスレンズなので,厚さを無視すると誤差を生じるが,本論文では先ず第一近似としてコンタクトレンズを薄肉レンズとみなして計算した。
The spherical aberration and the chromatic aberration of the contact lens have been estimated in comparison with those of the spectacle lens under a simplified condition.The spherical aberration of the contact lens has been found nferior to that of the spec-tacle lens, but in the chromatic aberration, the former has qeen found superior to the latter.
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