印象記 第68回日本眼科学会総会印象記
3.豪華にして快適な学会(第1日,第2会場にて)
大島 祐之
1
1東京医科歯科大学
pp.901-902
発行日 1964年7月15日
Published Date 1964/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202999
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最近の眼科学会は2会場制が慣例のようになつていたが,いままでの第2会場はとかく虐待されていた感がないでもなかつた。ところが今年の日眼総会の第2会場は,第1会場とくらべてその設備には全く遜色なく,少しは狭いとはいつても600人近くを収容する席が用意され,途中で入ると立ち通しで聴かねばならないというようなことは一度もなく,2会場制も完全に軌道に乗つたという感がした。第1日は,上野山氏(和医大)の講演で開始された。眼球運動を2次元的に描記するベクトルEOGにより,眼筋麻痺,眼瞼下垂の検査結果が報告されたが,回復期にみられる特異な動揺をとらえた事などが注目された。をお,東大,丸尾氏が発言して訊したごとく,EOGは眼筋が麻痺しているかどうかを決定するには有効な手段であるけれども,麻痺の性質,つまり中枢性だとか末梢性だとかいう判定には,筋に電極を直接刺入して行なうEMGによらねばならない。つづいて大岡氏他(東邦大)は,内眼角と外眼角に電極をおいて測定したImpedanceの変化を分折して眼筋の運動量を求める方法により,眼に円運動をさせたときの記録をとり,そこに現われたものは,眼球運動のみではなく眼瞼運動その他との綜合結果なりと結論した。
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