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Ⅰ.緒言
コンタクトレンズが長年の研究の結果として,容易に終日レンズの装用が可能になつたために,眼科臨床上に,大きくクローズアツプされ,多くの適応症に利用されるようになつた事は喜ばしい事である。光学的に見ても,コンタクトレンズは眼鏡レンズに比して,総てのレンズの非点収差やプリズム効果が除去され,網膜像の大きさの変化も少なく,視野が広く,又外見上,眼につかない許りでなく,眼鏡レンズで矯正の出来ない円錐角膜,角膜不正乱視,高度近視眼,不同視眼,無水晶体眼等の治療にも,特効的に作用する事は周知の事であり,眼鏡レンズに比して,多くの優位を示して来た。然し乍ら,他面に於いて眼鏡レンズに及ばない欠点もある。その1つは老視に対する非適応である。老視眼は近業時にのみ異常を訴えるために,近業時のみの眼鏡を必要とし,遠見と近見とでは異つたレンズを必要とするわけである。残念乍ら,近業の都度近業用のコンタクトレンズを装脱する事は,眼鏡レンズの掛けはづしに比して,眼内装作を必要とする関係上,取扱いに衛生上の注意を要し,繁雑さを伴い,更に二焦点眼鏡レンズの有する特性の遠近両用に,1つのレンズを以て役立たせるという事は,コンタクトレンズでは不可能な事であつた。最近アメリカ及び英国に於いて,この問題に就いての検討がなされている報告に接したので,著者自身も新しく二焦点コンタクトレンズの研究,製作,臨床応用に著手する事になつた。
Prior to the planning and clinical application, theoretical considerations such as corelations between deviation of the visual axis, location of the lens on the cornea, diameter of the pupil and of part for distance, were made on the contact lens with a part for distance at the center.
The relation between the location and deviation of the lens and diameter of the part for distance is expressed in the following equation.
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