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I.緒言
1938年Schneiderが初めて命名した流行性角結膜炎は,極めて伝染性の強い疾患であり,欧州及び米国に於て第二次世界大戦中に特筆すべぎ大流行を来し,又我国に於ても青木氏等の詳細な報告以来,数多くの報告に接している。近時本疾患の本態に関して多くの実験がなされ,病毒の分離固定が成功してから,現在ではビールスによる流行性の疾患であることが略々決定ずけられている。最近では地方的に本症の大流行を見たと云う報告はないが,毎年或る時期に必ずこれらの患者が多く外来を訪れることは吾々のひとしく経験する所である。たまたま当眼科の病室内に於て,昭和31年4月と,昭和32年6月との2回に,はからずも本症の集団発生を見,入院患者86名中26名,即ち30.2%の罹届者を出したが,何れも夫々1人の感染源から次々と感染した入院患者である為に,系統的に諸般の詳細な臨床観察を行うと同時に,現在迄特に優れた治療法或は予防法がないとされていた本症に極めて有効な療法を試みる機会を得たので,その成果を報告する。
Epidemic keratoconjunctivitis in 26 cases (39 eyes) occurred in 86 admitted patients in our clinic was studied.
(1) The incubation period of this disease was 7—10 days, and other eye was infected wi-thin 4.9 days after the onset of epidemic keratoconjunctivitis in one eye.
(2) At the onset of infection, 11.5% of the cases had bilateral involvement and the rest (88.5%) were unilateral. However, 43.5% of the unilateral cases developed into bilateral later. This disease was more frequently observed in males.
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