談話室
眼科史料(2)—高野長英著「眼目究理篇」について/眼科史料(3)—合信著「全体新論」の眼科事項について
福島 義一
pp.1247-1251
発行日 1958年9月15日
Published Date 1958/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206451
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1.はしがき
高野長英については,洋医学者ないし蘭学者としてよりも,むしろ,日本近代文明を拓いた時代の先覚者として有名である。
医史学の立場から彼が大成を期したところを観ると,それは杉田玄白によつて拓かれ「解体新書」を以て代表とする解剖学と青地林宗によつて拓かれ「気海観瀾」を以つて代表とする物理学との有機的連係を計つたもので,現代の生理学よりも,むしろ,より大きな構想の下に立つ一種の生機学といつた様なものであつたらしい。
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