特集 トラコーマ
シンポジウム
病原微生物学よりみたトラコーマの諸問題
川喜田 愛郎
1
1千葉大学
pp.1525-1535
発行日 1957年12月20日
Published Date 1957/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206201
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まえがき
数年来トラコーマの微生物学に関心をよせながら,その領域で未だpositiveの知見を挙げることができずに,暗中模索を続けているわたくしは,シンポジウム参加のお勧めをうけたとき,大層躊躇した。自分のデータを携げて意見を述べ,御批判を仰ぐことこそこうした席にふさわしいと考えられるのに,わたくしには今そうした力がないのがまことに残念である。
しかし一面,トラコーマの微生物学が決定的の段階に達していないことはWHOのトラコーマ専門委員会の第2回報告(1956)1)にもみえている通りだし,最近Bietti教授の講演2)でも同じ歎きが繰り返されたことはわれわれの記憶に新らしい。
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