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今回私共は岡山労災病院内にEye Bankを新設する運びに到つたので,此の機会にEye Bankの問題を数篇に及んで誌上に紹介する事にしたい。今日,日本に於いては未だ本格的活動を起しているEye Bankが無いので私共は一応米国各地のEye Bankから種々の援助を受ける事を行つた。幸に第一の筆者が1955年に,Iowa大学に新設されたEye Bankの設立の模様を実際に見聞していたので比較的円滑に事を運ぶ事が出来た。従つて本篇に於いては,米国のEye Bankの活動状況を主として紹介したい。
一言にして云えぼ,我が国のEye Bankのシステムは約10年〜15年の遅れをとつている。角膜移植手術は我が国でも比較的昔から行われているが,眼球供給のシステムが発達して居ない為に未だその応用範囲が狭い。之は医学の進歩に比してMedical Social Workが非常に我が国では遅れている事がその一つの原因と云えよう。それは又社会の認識不足とも云えよう。その一つとして,Eye Bankの発達に大いに関係する法令が未だ改められて居らず,Eye Bankに関係する眼科医が死体から眼球をとることさえ自由に行い難い現状である。統計の示す所では,我が国に於いても約2万人前後の患者が角膜移植によつて視力を恢復するだろうと推定されて居る。
As it is the first trial in Japan to establish the eye-bank, the system and procedure of the United States eye-banks were refcred.
The purpose of the eye-bank is not only to collect and derive the eye from the donor to the surgeon but to do a research, to educate the surgeon in keratoplasty surgery and to guid a social campaign for the prevention of blindness. The eye-bank system in the United States was started in 1939 by the Down Society in San Francisco and much developed since 1944. At present,18 or more eye-banks are full in work.
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