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内因性の葡萄膜炎,中でも虹彩毛様体炎の原因の鑑別は,古くから,眼科医にとり最も困難なる課題の一つとして,異論に富むところであつたが,研究方法や臨床面における最近の著しい進歩にも拘らず,依然として充分なる解決には達しておらぬようである。従つて,この問題は他より取残されて却つて前面に押出されて来た観があり,ここ数年に発表せられた本症の診断に関する知見や原因に関する統計は,少なからぬ数に上つている。依て私は,それら報告に基いて今日におけるこの問題を概観し,最近頓に,関心を持たれているBehçet氏病を含む諸病因に就て触れてみたいと思う。
元来,虹彩毛様体炎は,一般に原因の如何に関せず,共通の,或いは同一の局所症状を示す傾向を有している。その際,炎症の性質として漿液性,線維素性,化膿性等の差異はさることながら,また瀰漫性炎であるか,或いは虹彩に限局性病巣を作る,作らないなどの特徴が,原因判断にある程度の助けを与えることはあり得る。
From the statistical survey about the etiology of endogenous iridocyclitis (257 cases in Tohoku University Ophthalmologic Clinic in Sendai), I mentioned as a recent tendency of the etiology remarkable decrease of syphilis, gradual decrease of tuberculosis, increase of focal infection and undetermined cases, and that it is a difficult problema s ever for the ophthalmologist to decide upon the etiology.
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