臨床講義
家族性進行性黄斑部変性症と網膜色素変性症
菅 一男
1
,
横山 実
1
K. Suga
1
,
M. Yokoyama
1
1三重大学
1Dept. of Ophth. Mie Univ.
pp.1530-1534
発行日 1956年12月15日
Published Date 1956/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410205876
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
家族性進行性黄斑部変性症と網膜色素変性症との関係については,Stargardt以来,その遺伝関係,臨床像及び治療等の見地から種々論ぜられて来たが,現在では,網膜に原発するHeredode-generative Erkrankungなる範疇に属すべき疾患として,両症の間に本態的な同一性,或は,近似性を認めようとする説が主流をなしている。
茲に述べる症例は,第1図に示す如く,8人兄妹中,長男に両症の合併を,長女及び次女に黄斑部変性症を認めた三例であつて,両症の関係の密接なることを示しているものと思われる。この家系には眼疾のある者はなかつたとのことであるが父親が既に死亡している為,確実な遺伝関係は不明である。両親の間に血縁関係はない。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.