Japanese
English
臨床実験
角膜眞菌症(Keratomycosis)に就いて
Keratomycosis
吉岡 久春
1
,
木谷 和子
1
,
阿部 茂子
1
Hisaharu Yoshioka
1
1長崎大学医学部眼科教室
1Dept of Ophth. Nagasaki University.
pp.1336-1342
発行日 1956年10月15日
Published Date 1956/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410205832
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真菌に因る角膜疾患は,外国では1879年Leber15),本邦では明治42年槇16)の報告が最初で,其後,現在迄,我々の2例を含めて,菌種の判明せるものだけで23例を数え,又,病理組織学的証明のある例は,新美26),越智23),の2例があるにすぎない。
最近,各種の抗生物質並びにコーチゾンが,角膜疾患に広く用いられ,著効を収めているが,反面Candidaの如く,抗生物質に不感性の真菌類は却つて増殖し,又コーチゾンが結膜嚢内真菌の増殖を来し,角膜真菌症を起すことがあるという6)19)。然し此の角膜真菌症の治療には,現在未だ適切な方法がない。故に可及的早期に本症を診断し,早期に適切な治療をなすことが望ましく,ようやく角膜真菌症が増加し,臨床的に重要視されつつある現在,我々は出来るだけ角膜真菌症の知識を持つ必要がある。特に実地医家に於て然りである。これによつて角膜真菌症による失明を防止出来るものと思う。
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