Japanese
English
臨床実験
菌種不明の真菌に依る角膜潰瘍の一例に就て
A case of Cornea-Ulcer Caused by An Unknown Fungus.
重松 典雄
1
,
前田 泰子
1
Norio Shigematsu
1
,
Yasuko Maeda
1
1北野病院眼科
1Ophthalmic clinic Kitano Hospital Osaka
pp.1333-1335
発行日 1956年10月15日
Published Date 1956/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410205831
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1.緒言
真菌感染の眼科領域に於ける最初の報告は,1879年Leberが燕麦の殼片が眼に飛入して惹起された前房蓄膿を伴う角膜潰瘍が,真菌感染に依るものであつたと記載された1例で,以来幾多の報告例があるに不拘,眼科領域に於ける真菌感染に就ては未だ解明されない点が多い。
一方近年,種々の抗生物質の使用が盛んになり,多くの伝染性疾患に大きな治療効果をもたらす様になつたが,他方Candida albicansの如く,今迄の抗生物質に対して不感性の真菌類の増殖を促し,真菌性疾患の漸増を来し,各科に於て真菌性疾患の報告に接するに至つた。且つ是等の真菌性疾患に対して的確な療法に乏しい為に多くは予後不良に終る様である。
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