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緑内障はその背後に,植物神経系の立場から眺めた場合,交感神経緊張状態を示す血管神経症の存在することは,従来から多くの研究者によつて種々の面から支持されて来たのであるが,直接これを実証したと考えられる実験成績は甚々少いように思われる。
交感神経緊張症は,交感神経と副交感神経の緊張状態の平衡破綻に基くものであるから,アセチルコリンとアドレナリンとの量的な関係が重要な役割を持つであろうと云う事は述べる迄もないと思われる。ところが,生体内のアセチルコリンとコリンとは,コリンエステラーゼの存在下に於ても,極めて安定した比率を保つているが,これは主として両者間の化学平衡によるものである事も最近立証せられた。従つて緑内障患者血液中の総コリンとアドレナリンとの量的比率を知ることによつて,本疾患に血管神経症の存在することを立証する極めて有力な手懸りが得られるものと考えそれ等物質の定量を計画し,先ず緑内障患者血清中の総コリン量を測定して,これを健常者のそれと比較し,いさゝか興味ある知見を得たので,こゝに報告しようと思う。
The serum cholin of glaucoma were studied by the Beattie's method. In the chronic simple glaucoma, it has shown the decrease generally, on the other hand, shown almost similar value with normal person in inflammatory glaucoma.
Considering this results, it seems to suggest the decrease of the serum acetyl-choline in chronic simple glaucoma and the increase of serum acetylcholine or adrenaline-like substance in inflammatory glaucoma.
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