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緒言
著者らは角膜の構造1)についてコラーゲンとムコ多糖類の水和状態での挙動から,コラーゲン部をポリメタクリル酸メチル樹脂,ムコ多糖類を構造の類似する親水性多糖類におきかえて考えること,すなわち生体産物である親水性多糖類と無生物有機ポリマーを結びつける発想から前第1報2)では,まずデキストランをクローズアップさせ,次に前報告3)(その2)では,デキストラン以外の一般的親水性多糖類および合成親水性ポリマーであるポリビニールアルコール(PVA)とMMAを共重合させそれらの新物質についての相互間の性質,Hard Contact Lensとしての適合性に関して検討を加えた,、その結果,親水性多糖類とMMAの共重合体において,主に1.4—グルコシド結合を有するセルローズ・デンプンとMMAとの共重合体は吸水率,接触角の点でややデキストラン—MMA共重体に比較すると低下するが,角膜との親和性の点(違和感の消失)では改良が認められる。これは水溶性多糖類の中のフリーの水酸基の性状に基づくものであると考えられる。これに対して,α−1.6グルコシド結合を有するデキストラン—MMA共重合体は前者に比し,より高い吸水率,接触角の低下を示す。このことはデキストランの構造が主として,α−1.6グルコシド結合による三次元マトリックス構造を有し,そのため角膜における多糖類(酸性硫酸多糖類)と近似した吸水挙動を示していると解釈できよう。
We developed a new hard contact lens (Bio-Contact Lens) with dextran acetate-MMA graft copolymer. Deacetylation of the contact lens with alcoholic alkali was applied only to its surface, so that the surface of the contact lens was made hydrophilic with the inner part retai-ning hydrophobic nature. This dual feature re-sulted in good durability of the lens while in actual use.
We detected no difference between the new Bio-Contact Lens and the ordinary contact lens as concerns refractive or absorbing light index as well as mechanical strength.
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