Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
いかなる手術でも,はじめて行なう場合はもちろん,手慣れた術式でも,術前に手術書をひもとくことは,眼科医として当然行なわれねばならぬことである。手術書は概して一般的な術式の記述が多く,学ぶ所も多いが,また細かい点に関しては舌足らずと思われる記述も多い。たとえば,斜視手術で,筋肉を付着部で切腱するという記述でも,強膜に接して切るのか,少し付着部を残して切るのか,剪刀を筋肉の下に入れて一挙に切るのか,少しずつ切つた方がよいのか,というような疑問が生じてくる。したがつて,術者は各人の経験により最もよい方法を見出し,それを自分の方法として体得していく場合が多い。このような観点から,現在私の行なつている斜視手術法につき少しくわしく述べる。
斜視手術は眼科領域でしばしば行なわれる手術の一つであり,眼科医であれば誰でも手がけるものである。また,研修期間に,内眼手術に先立つて執刀者となるのもこの手術である。そして,その術式においても歴史的にそれほど大きな変化はなく,今日まできわめて一般的な手術として盛んに行なわれてきた。その手術手技には,内眼手術にみられるような緊張感と微妙さはないかもしれないが,最終的に満足をうることができないという点できわめてむずかしい手術の一つであると考えられている。
The report deals with the method of strabis-mus surgery which I have performed for the last few years. Key features of the method are the limbal approach and operation under the microscope.
The incision of the conjunctiva is made 1 to 1.5mm away from the limbus. This minimizes the possible damage to the limbal area of the cornea. The separation of enon's capsule from the episcleral tissue is facilitated with the use of operation microscope. The separation of Te-non's capsule from the fascial sheath of the muscle is carried out using surgical absorbing material (MQA) to press the muscle down.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.