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I.水晶体皮質可溶性蛋白質分画方法の検討
はじめに
白内障の成因に関する研究は,数多くの文献が示すごとくに,近年ますます盛んに行なわている。ことに老人性白内障は,老化の端的な表現であるといわれ,その物質代謝の解明や蛋白質の分析が行なわれているにもかかわらず,その成因に関してはなお不明の点が多い。われわれはその成因の一端を究明する目的で,先に老化と関連した水晶体内の水分そのほかに関して検討した38)。今回はこれに引続いて水晶体の老化に伴う蛋白質の変動が老人性白内障とどのように関連するかを,ネズミ水晶体および老人性白内障水晶体を用いて実験観察したので次に報告する。
1894年Mörnerがはじめて水晶体蛋白を3種溶性蛋白と不溶性蛋白に分画し,これらは後にα,β,γクリスタリン,およびアルブミノイドと名づけられたことは周知の通りである。近年蛋白質化学の研究の進歩に伴いChromatographyや免疫学的方法によつてさらに検討され,水晶体の蛋白分画ははじめ信じられていたよりもより複雑な構成成分から成り立つていることが明らかにされてきた。しかし,これら多くの分画も,本質的にはやはりα,β,γクリスタリンの種類の部分として考えられ,α,β,γクリスタリンの意義は少しも失われていない。
I. STUDIES ON THE METHODS OF FRACTIONATION OF THE SOLUBLE LENS PROTEINS OF RATS WITH AGE
The three electrophoretic fractions are given with the method to fraction the lens proteins by isoelectric precipitation (Krause 1932), but these fractions are contaminated with a-crystal-lin itself.
Chromatography on DEAE-cellulose (Papaco-nstantinou et al., 1962 and Spector, 1964) has been done with stepwise elution. This methods may produce artifacts, for it has been revealed that same protein may be eluted in subsequent peaks.
The lens proteins could not be separated by the method of chromatography on CM-cellulose with gradient elution system.
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