Japanese
English
特集 緑内障
緑内障とアトピー素因—特に,頤皮膚変常とHertoghe徴候
Glaucoma and Atopic Predisposition:Especially, Chin Sign and Hertoghe Sign
飯沼 巌
1
,
愛川 和代
1
,
嶋本 寿
1
Iwao Iinuma
1
,
Kazuyo Aikawa
1
,
Hisashi Shimamoto
1
1和歌山県立医科大学眼科学教室
1Department of Ophthalmology, Wakayama Medical College
pp.1495-1506
発行日 1970年12月15日
Published Date 1970/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410204418
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
緑内障に原発性と続発性とがある。原発性とは確実な原因が不明なるもの,続発性とは確実な原疾患があり,そのために緑内障を起こしているものであることは,須知のとおりである。したがつて検査技術が進歩し,十分な検査を行なえば行なうほど,原疾患は明確となり,原発性のものは減少し,続発性のものが漸次増加してくるであろうことは理の当然であろう。
筆者は,眼科を志して30余年,特に緑内障に興味を持つて以来すでに20余年になるが,近年になつて,ようやく従来原発緑内障であるとしていたような症例中に,相当多数例が,「あれは続発性ではなかつたか」と反省せしめられるような経験をするようになつた。誠に恥ずかしい次第である。しかし,これには,その間における検査器械(細隙灯顕微鏡,隅角鏡,その他)の進歩があり,そのために細かい観察が可能になつた点が大きいと思われるが,他面その間における着目眼の進歩もあつたかと思われる。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.