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I.緒言
前篇においては網膜血管分岐部のTu型分岐が正常血圧者においても血圧的,年齢的変動に応じてその数などにおいて変化をきたすのみならず高血圧患者においては,さらにそのTu型分岐が血圧的,年齢的変動に加えてKeith-Wagenerの分類などの中にも微妙な立場をとりつつ関連性を示すことなどについて論じ,有意義な結果を示したことを述べ,今後高血圧患者のKeith-Wage—nerの分類などの判定にこれらのTu型分岐をも加味して検討するのが意義があると思われる点などについて述べたが,さらに高血圧患者で両眼についてその眼底所見を検索していくと,両眼の侵襲程度が左右同程度のものももちろんあるが,必ずしも同程度でなく,1眼にはKeith-Wage—nerの分類やScheieの分類などにおいて第3群のごとき変化を示すものでも,他眼にはそれほど変化がなく,第1群とかあるいは全く高血圧性変化や細動脈性変化のない者などに遭遇することは,しばしばわれわれの経験するところである。かような場合にはいかに説明したら良いか,またその判定にはより変化のある方の1眼をもつて全身状態,ひいては予後を判定するか判断に苦しむ場合が少なくない(第1〜4図)。
この両眼の不一致の現象をいかにみるかについて前項で述べたTóthはここでもまた,これら左右の所見の差について報告しているのを知る。
A clinical evaluation was conducted over the side differences of blood pressure in the upper arm and over the possible relationship with the severity of arteriosclerotic findings and the severity of arteriosclerotic findings in each eye. Studies in 62 patients with systemic hypertension indicated that the severity in arteriosclerotic findings as expressed in graded terms according to Keith-Wagencr or Scheie stood in positive relationship with the difference in laterality of brachial blood pressure, while the pressure in the central retinal artery seemed to be independent of the angiosclerotic findings of the retina.
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