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I.緒言
1887年Meynert21)は特発性テタニーに白内障が合併することを初めて報告した。Landsberg18)は1888年甲状腺手術後に起こるテタニーに合併した白内障の症例を報告した。その後20世紀の初めにかけて欧米では数多くのテタニー白内障の報告がなされたが,わが国においてはその臨床報告例は比較的少ない。文献を見ると,著者の調査し得た範囲内では,特発性テタニーに合併する白内障では,景崇徳15),日比野清10),青木平八4),曲直部正夫19),生田啓吉11),大石省三24),矢ケ崎薫28)の7例,術後テタニーに合併する白内障では,平井信一9),瀬戸川朝一25)の2例の報告がある。
白内障を併発する慢性テタニーは大きく三つに分類できる。(1)特発性副甲状腺機能低下症に見られるテタニー,(2)術後副甲状腺機能低下症に見られるテタニー,(3)偽性副甲状腺機能低下症に見られるテタニーである。(1)および(2)に併発した白内障の報告は前述したごとく,多く見られるが1),(3)に併発した白内障については,内科,小児科領域における報告はあるが2)8)12),眼科領域ではまだその報告例を見ない。
Two cases of tetany cataract, one with post-operative hypoparathyroidism, and the other with pseudohypoparathyroidism, were reported. Reports or reviews about tetany cataract of postoperative hypoparathyroidism or idiopathic hypoparathyroidism can be found easily in the literature. But tetany cataract with pseudohy-poparathyroidism is rare and to my knowledge, this is the first case to be reported in the field of ophthalmology.
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