印象記
第71回日本眼科学会総会(2)
石川 哲
1
,
松井 瑞夫
2
,
奥田 観士
3
,
桑島 治三郎
4
,
百々 隆夫
5
1東京大学
2日本大学
3岡山大学
4東北大学
5京都府立医科大学
pp.1013-1021
発行日 1967年8月15日
Published Date 1967/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410203719
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第1日の疲れのためか,または,電気生理学関係の演題がずらりと並んでいるせいか,会場の聴衆は誠に少なく,私が顔見知りの先生だけがちらほら来ておられるといつた状態で講演が始まつた。私が受け持つた9題の中には全体的な印象として非常に聞きごたえのあるもの,あるいはなぜこういう研究をしているのだろうと疑問を持つたものなどがあつたが,私自身も過去の発表の中で聞いていてわかりにくいなどとお叱りを印象記の中で賜つた経験もあるので,今回は御発表の諸先生方から当然批判されることを覚悟の上でこの印象記を引き受けることにした。
第80席内田氏(京大)は最近cryotherapyが,白内障,網膜剥離などに盛んに行なわれているが,それがどのような影響を網膜および視路に与えるであろうかということが,氏によつてなされた。結論的にはERGではc,a,b波の順に振幅に変動が現われるが,一方視覚誘発電位(VER)の方は変化が出なかつたとのことである。臨床的にもcryotherapyがどのような影響を視覚系に与えるかは非常に重要な問題である。私の意見として,なぜ変化がC波から始まるのか,またどうしてVERには変化が出ないのだろうかという面が最も知りたいし,同時にいろいろ条件を変えてcryoretinopexyを行なつた時の電気的反応と組織学との対比が知りたい。今後ぜひとも追求していただきたいと思う。(なお本演題は討論なし)
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