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I.緒言
グルタチオン(GSH)は高等動植物より微生物に至る迄いずれの細胞にも存在することはGSHが細胞の機能に重要な役割を果していることが想像出来る。眼科領域でGSHが興味が持たれるのは水晶体に極めて多量のGSHが含有されているのも一つの原因である。これは哺乳類の水晶体のみでなく,魚類に至るすべての脊椎動物に共通の事実である。更に全く系統を異にした軟体動物,例えばタコ,イカの水晶体を調べて見たところ,全く同様にGSHが多量に証明されて,水晶体とGSHの関係は極めて密接なことが痛感される。水晶体のGSH量は血液の数十倍であるし又肝臓の倍に達する。白内障の初期よりGSHの減量が先駆し,又SH蛋白のβ—クリスタリンの減量が証明される。このGSHが水晶体の透明度維持に不可欠であることも充分に納得される。
1944年Bellowsは水晶体の透明維持にSH化合物が不可欠であることを指摘した。今迄私共はGSHについて2〜3の報告を行つた。始めに眼球のグルタチオンの分布1)を検討した。これは銅錯塩螢光法2)を応用したものである。この成績は水晶体に最も多くGSHを証明したのは勿論であるが視神経にも相当に多量のGSHを認めた。又水晶体懸垂線維(チン氏帯)にも或程度のGSHを証明した。この事実は白内障発生病理に対して有力なる示唆を得た。
Eighty-one cases were treated with topicalor systemic Glutathione (Tathion) and follow-ing results were obtained.
1. The treatment proved effective in 8 ca-ses with various keratopathies including trau-matic corneal defect, herpes corneae, margi-nal ulcer and filamentary keratitis.
2. Sixty-two eyes with senile cataract were treated by combined systemic and topical Glu-tathion therapy. 59% responded favourably, 31% showed no response to the treatment and 10% showed further progression in spite of therapy. Cases with incipient or immature cataract tended to react favourably to the treatment.
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