トピックス
酸化型グルタチオンと睡眠
井上 昌次郎
1
,
本多 和樹
1
,
菰田 泰夫
1
1東京医科歯科大学医用器材研究所
pp.651-652
発行日 1991年7月1日
Published Date 1991/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900765
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私たちは,1970年代の初期から一貫して,睡眠は脳内に出現するなんらかの生理活性物質によってコントロールされているとする,いわゆる睡眠液性調節説の立場から研究を続けてきた.つまり,「内因性睡眠物質」を単離し,構造解析し,同定し,生理機能を明らかにすることによって,睡眠の謎に迫ろうと考えたのである.
そこで私たちは,長時間のあいだ眠らずにいたラットの脳幹から,睡眠物質を取り出すことにした.断眠によって睡眠欲求が増加するため,睡眠中枢の存在する脳幹内で,活性物質の濃度が高まると考えたからである.そのためまず,多数のラットを同時に断眠させる装置を考案した,これを用いて,24時間にわたって不眠状態においたラット約5,000頭の脳を準備し,脳幹抽出物を作製した1,2).
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