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I.緒言
眼精疲労患者は近年ますます増加の傾向にあり,さらに又,治療に抵抗する頑固な眼精疲労に遭遇することが多くなつた。それにもかかわらず,今日なおその本態について充分な説明がなされていない。従つてその治療や予防に対する的確な方策が未だ見られない。現在治療薬としてはA.T.P.,Vitamin B1大量,又精神安定剤が用いられているが,これらにしても治療し得ない症例にしばしば遭遇する。
最近,Vitamin B12誘導体として脚光をあびているHydroxocobalamin (OH-B12と略す)は既に内科方面で使用されて,幾多の報告がある外,眼科的にも慢性緑内障,糖尿病性網膜症等に投与され,その効果が期待されている。著者等はOH-B12であるFresmin Sをこれら難治の眼精疲労の患者に投与する機会を持ち,好成績を得たのでその結果の大要を報告する。
Fresmin S, strong active form of vitamin B12preparation, was used to 12 patients, who had so-called asthenopic complaints and had been treated previously without effect by other drugs: vitamin B1, Contol and A.T.P., Upon these patients, Fresmin S proved remarkably effective in 4 cases and effective in 8. No side effect was observed in all cases.
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