Japanese
English
連載 眼科図譜・99
隅角の色素異常—Wilson氏病と水晶体前嚢落屑
Pigmentation of the chamber angle in Wilson's disease and exfoliatio lentis
清水 弘一
1
,
塚原 重雄
1
1東大眼科
pp.1021-1022
発行日 1964年9月15日
Published Date 1964/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410203022
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
Wilson氏病
K.H.38歳女子(37-4420)。7年前より肝脾腫,手指のふるえ(Tremor),筋強硬,貧血等が増強し,内科的にWilson氏病と診断された。両眼にKayser-Fleischer角膜輪ならびに瞳孔領の水晶体前嚢下に淡緑色の色素沈着が存在する。BAL投与により全身症状は著しく軽快したが.2年問の経過観察中,角膜輪はほとんど変化していない。色調は,「金色」,「銀色」,「粘土様の茶褐色」と病歴に記載されている。
隅角鏡的には,角膜輪は,角膜後面にあるそれぞれほぼ均質な,微細顆粒状の金泥色の連続した二重帯として認められ,外側はSchwalbe氏線上にはじまり,外側,内側とも非着色部とは明瞭に境されている。線維柱には下方に若干の色素顆粒の沈着を見るのみで,角膜輪と同質な色素沈着は全く欠除する。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.