談話室
米国眼科学会総会の印象(1963年度)
栗本 晋二
1
1鳥取大学医学部眼科学教室
pp.218-222
発行日 1964年2月15日
Published Date 1964/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202893
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第112回米国医学会総会は本年6月16日より20日までAtlantic Cityで開かれ,眼科分科会は市内のConven—tion Hall (写真1)に展示,Dennis Hotel (写真2)で講演が17日より20日まで行なわれた。
Atlantic CityはPhiladelphiaより自動車で約1時間半,米国では有名な避暑地,海水浴場で,又種々の会議,学会の開催地として知られている。海岸に沿つて市街より1階高く板で舗装された50m幅の散歩道が走り,その片側には10階程のホテルが並び,ホテルの間は2〜3階の土産物店とレストランがある。その向い側は500m幅の白砂の浜が続き,無数のパラソルと椅子が整然と並べられ,年間2100万を数えるという訪問客があり,これらの客は大西洋に飛び込んでは上り,白浜上に寝そべつて甲羅を干しているといつたわけで,海水浴場としては立派であるが,学問とは縁遠い感じのする人口5万4千という小都市であつた。日本の医学会総会,昨年シカゴであつた米国医学会総会しか出たことのない筆者はいささか戸惑つた。医学会総会が大学所在地の大都市で開催されなければならぬわけでもないし,日本医学会総会が東京や大阪や名古屋のかわりに熱海や白浜で行なわれるのもよいことであろうなどと思い起こされる様な所であつた。会期中,医師会員12,443名,guest 29,016名の登録があつたという。
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