談話室
第16回日本医学会総会印象記(3)—分科会第2日
加藤 謙
1
1日本大学
pp.919-922
発行日 1963年7月15日
Published Date 1963/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202775
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総会2日目(4月4日)の第1会場は,午前中に網膜ERGなどを,午後は高血圧性眼底病変・視束などを主要テーマとして34題,第2会場では午後のみ全身病及び治療を主題として23題の研究報告が行われた。従つて午後は臨床上興味深い演題が両会場にまたがっていて,会場の選択に迷うわけである。筆者は意を決して第1会場のみを聴講することにした。
会場のロート製薬会館は,(1)広々として快適であり,(2)設備万端特に講堂内の掲示,椅子の坐り具合,マイクの調子なども誠に申し分がない。また(3)従来とことなって会の進行にかなり時間的なゆとりが感ぜられ,落着いた雰囲気であった。学会で時間の不足のため演者も聴衆もせかせかと追われるような感じがするのは常々残念なことと思つていたが,ここではこのような感じがしなかつたのである。また(4)昼食時にも,午前の部が少し早目に終つたためか,ゆつくりとした気分があり,食後の広々とした芝生での雑談と眺望も気分がよい。これらは担当教室が会場の選定,講演の配分に苦心された結果と思われ,心より感謝すると共に,今後の学会もこの傾向ですすみたいものと思つた。
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