動き
第11回日本アルコール医学会総会印象記
手島 正大
1
Masahiro Tejima
1
1国立療養所久里浜病院精神科
1Dept. of Psychiatry, Kurihama National Sanatorium Hospital
pp.756-757
発行日 1977年7月15日
Published Date 1977/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202639
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第11回日本アルコール医学会総会は,去る9月24日,25日の両日,稲永和豊会長(久留米大学医学部精神神経学教室)主催のもとに福岡県久留米市で開催された。一般講演は第1日,第2日合わせて69題が出題された。この学会には,基礎医学および臨床医学のはば広い各々の分野からの参加があり,アルコール医学のテーマのもとに活発な研究発表や討論が行なわれる。今回も基礎医学からは法医学,衛生学,薬理学からの出題があり,臨床医学からは精神神経科学,内科学から多数の出題があり活発な討論が行なわれた。各々の演題は2日間にわたって17の部門に区分された発表および討論が行なわれ,アルコール研究の広範囲さをうかがわせるに十分であった。精神科部門の演題は29題で,中枢神経とアミンに関する研究,ポリグラフと電気生理,衛生・社会関係から精神科臨床,家族・夫婦関係および治療に至る広い方面からの発表が行なわれ,非常に興味深いものであった。精神科関係からもアミンに関する研究および電気生理等の興味深い基礎研究が発表され,アルコールと躁うつ病との関係,禁断時の多彩な生理現象等の解明に有力な手掛りとなるものと期待している。
今学会のシンポジウムは,第1日目の午後から行なわれ,『身体依存の発生条件について』というテーマで5つの演題発表および活発な討論が行なわれた。
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