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特集 第16回日本臨床眼科学会号(1)
一般講演
軟性白内障の吸引術(その1)—術中前房再生に就て
Aspiration method of cataracta molle (Report 1)
桑原 安治
1
Yasuji Kuwabara
1
1慶大
1Department of Ophthalmology, Keio Univ
pp.141-142
発行日 1963年2月15日
Published Date 1963/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202646
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I.緒言
軟性白内障は多くは幼少年が多く従来は角膜切開を行つて水晶体を摘出するか,或は截嚢法かを行つている。水晶体摘出の場合は術中は全身麻酔を行うとしても術後の安静が幼少年である為,中中保てず虹彩脱出等の合併症を起す事があるし,又截嚢法に於ては術後尚瞳孔領が白く,時には水晶体内容物が前房に脱出して術前より更に白くなり母親は不安になる場合もあり,或は一回の截嚢では不十分で,之れを繰返す事もある。そこで著者は角膜輪部に小切開を加え注射筒に約1分の1の針をつけ,それを切創より前房に入れ次で水晶体に突き入れ水晶体の内容を吸引した所極めて好成績を得たので既に数回に亘り報告した。
其の後多数例を経験した結果,最初に角膜輪部切開を行うと同時に前房が消失した場合,針を前房に入れる際に虹彩に引掛つたり角膜裏面に触れたり色々困難な場合がある。そこで術中前房を形成する事を工夫して実施した所甚だ便利であり手術が円滑に行えたので茲に報告する次第である。
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