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連載 眼科図譜・14
霰粒腫に似た症状で初つた眼瞼癌腫
Lidcarcinom simibar to chalazion/Lidcarcinom simibar to chalazion
中村 康
1
1日本医科大学眼科教室
pp.1117-1118
発行日 1955年9月15日
Published Date 1955/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202325
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癌腫と言うと普通胃癌,子宮癌などの名が出る。そして其原因が刺激によると言はれる。胃癌や子宮癌には刺戟となる要素が求められるけれども眼瞼癌はどうであろう。又癌腫学の上で眼瞼癌などと言う名は片隅にやられて「其他」の項目の内に入れられている。然し,眼瞼癌と雖そう簡単に取扱うべきものでなく時に生命を奪うものである。
図示する処は,第1図は丁度霰粒腫の形で発病している。第2図は2箇の腫瘤があり,其一つが膿腫であつたので排膿し切開し放置しておいた。第3図は内眼角部の霰粒腫様腫瘤を再三切開して居る間に潰瘍が拡大し,眼窩組織を犯し,眼球を孤立させて,死に到らせて居る。何れの例も組織検査によつて癌である事を確め,第1,第2例は完全除去によつて全治し,第3例は深部X線照射によつて軽快したが,生命的予後は不良であつた。
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