臨床実験
眼底疾患とビタミンB2結膜下注射療法
小島 克
1
,
夏目 智惠子
1
,
笹野 和子
1
1名大眼科
pp.501-502
発行日 1955年3月15日
Published Date 1955/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202175
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1926年Shermanは水溶性ビタミンの中から熱に不安定な抗神経炎性因子の他に,熱に安定な因子のある事を見出し,前者をビタミンF,後者をビタミンGと呼ぶことを提案し,翌年医学研究会議で,前者をビタミンB1,後者をビタミンB2と呼ぶことになつた。
この広義のビタミンB2も成長促進因子,抗皮膚炎性因子よりなることが着目され,成長促進因子はGyorgy,Kuhnによつて,肝臓,心臓等に含まれる黄色の色素であることが確められ,更に卵白,牛乳等に含まれる黄色色素が量的にビタミンB2の成長促進因子と一致することが明らかにされ,卵白から結晶状に取出されたものは,Ovo-flavin,半乳から得られたものは,(Gyorgy, Ku-hn 1933) Lactoflavinと命名された。Banga,Gyorgy (1932)は豚の心筋から黄色色素,Cyst-flavを得,之がWarburgの黄色酸化酵素(1932)と構造が同じであることを明らかにし,Ku-hn,Rudy (1936)等はFlavinの構造を研究し,GyorgyのCystoflavがRivoflavinの燐酸エステルであることを証明した。
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