臨床実験
白内障全摘出手術を安全,確實且っ容易に行う爲の術式の検討(Ⅰ)
大島 勇一
1,2
1慶大眼科
2横浜警友病院眼科
pp.468-470
発行日 1955年3月15日
Published Date 1955/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202167
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私の白内障手術に対する認識は斯うであつた。即ち開瞼器は眼球に圧が及ばない様に,手術中助手に保持させる。切開は線状刀で辨状に,切開口の縫合はしない。従つて患者は術後数日間絶対安静。虹彩切除。摘出は嚢外。従つて適当な成熟まで待つて後発白内障の僅少を期する。これが最も安全な常識的な手術法と信じて居た。
それでも時々全摘出の誘惑にかられ,研究不足のまゝ不安を感じつゝ,全摘出を試みては見るものゝ,その成果はもとより不定で,やはり私如きが常用とする方法ではないと,半ばあきらめていた。
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