臨床実験
トラコーマの再発或は再感染に関する統計的臨床的研究
菅井 寬
1
1三井金属彦島病院
pp.465-467
発行日 1955年3月15日
Published Date 1955/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202166
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トラコーマの再発再感染或は重感染等に就いては従来種々の議論があるが近年はトラコーマに対する免疫が云々せられ再感染は比較的少いものとされている様である。私は昨年某金属製煉所の従業員及其家族全員に対してトラコーマ検診を行い3701名中304名(8.2%)の患者を発見し其の後此等の患者に対して1%テラマイシン軟膏或は1%オーレオマイシン軟膏(1日4回点眼)を主力とする治療を行い本年5月迄には244名(80.2%)の治癒患者を出した。而しながら本年再び同様の検診を行つたところ,4328名中402名(9.2%)のトラコーマ患者を発見した。此の402名の内には昨年トラコーマを診断されて治療後治癒した者で本年再びトラコーマと認められた者が98名あつた。これは恐らく再発或は再感染したものであろうと思われる。此の98名に就て種々の集計を行い検討して見たので此に報告する。尚トラコーマの診断分類,治療法,検査方法,治療判定等に就ては9巻3号62頁「某金属製煉所従業員及其家族全員のトラコーマ検診並に治療成積」を参照されたい。
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