綜説
Carbonic anhydrase阻止剤Diamoxと緑内障治療—附:眼組織のCarbonic anhydrase
小島 克
1
,
森 正
1
,
馬島 慶直
1
,
服部 貞雄
1
,
宮崎 弘子
1
1名大眼科
pp.393-399
発行日 1955年3月15日
Published Date 1955/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202147
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Diamoxが緑内障に於いて眼圧下降作用があり近時,記載をみるに到つた。元来,本剤はCar-bonic anhydraseの阻止剤として腎上皮のCar-bonic anhydrase阻止の結果を基本として,利尿剤としてCardio-renal odema等に用いられている。腎臓におけるCarbonic anhydraseの関係が,直ちに,眼組織の眼圧下降,房水流入(In-flow)の機能に同じ状態で解明を与える所まではいつていない。
唯,Kinsey (1953)の示した様に,房水には血清より遙に多量のbicarbonateが証明されること,Frieden wald (1949)が,毛様体上皮にcyto-chrome-oxydaseをみとめ,分泌過程の1つの仮設を示している事が注目される。即ち,氏は,毛様体上皮のCytochrome-oxydaseは1) ReducedCytochrome oxydase+1/2O2→oxydized cyto-chrome oxydase+0,2)0+H2O→2OHといつた反応型式を分泌過程の中核とし,bicarbonateBufferのある系統では,1)2OH+2CO2→2HCO3となり,2)2H++2Na++2HCO3→←2Na++2H2O+2CO2なる反応型を推定し,Stromaと上皮間の陽イオン,陰イオンの交代を設定している。
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