Japanese
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臨床実験
鞍結節部に発したメニンギオームの治験
Meningfoma grown from tuberculum sellae, Report of a Case
脇 正敏
1
1広島医大眼科学教室
pp.1019-1022
発行日 1954年10月15日
Published Date 1954/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202003
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報告例は35歳男で,1年半前より徐々に視野狭窄,次で視力滅退が進み,最近に至つて初めて軽度の頭痛,左眼窩後部の鈍痛,嗅覚の低下を伴つて来た。両眼単性視束萎縮及び非定型的の両耳側半盲を呈し,レ線像でトルコ鞍は残く,沃度油脳室撮影法の所見とまつて鞍結節メニンギオームと診断した。右側前頭開頭術を施行して,トルコ鞍上部に両側視束及び交叉部を完全に包埋する腫瘍を認め,可能範囲の部分剔出を行つた後,レ線治療を併用した。脳症状の消失,視力,視野の比較的著しい改良は加療後11ヵ月に於てよく保持されつゝあるのを認めた。腫瘍の剔出部分の組織学的所見は,メニンギオーム(Cushing-Eisenhardt分類のType I)である。
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