Japanese
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臨床実験
コリマイシンの外眼部傳染性疾患に對する効果(第1報)—結膜炎・眼瞼炎に對する効果
Colimycin in Ocular Infection
田中 智惠
1
,
渡邊 公子
1
1東京女子医大眼科
pp.871-872
発行日 1954年8月15日
Published Date 1954/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201957
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コリマイシン(抗菌性物質基準名コリスチン)は1946年に小山・黒沢庇等1)により福島県掛田町の土壌から発見分離された一種の好気性芽胞桿菌の培養液から抽出される新しい抗生物質である。無色乃至微黄褐色の粉末で,化学的にポリペプチドである。
コリマイシンの性質はポリミクシン-Bに非常によく似ており,グラム陰性菌に特異的に作用し,百日咳菌,緑膿菌,肺炎桿菌に著効を示す事は非常に興味深い所である。その効力は強力でその強い抗菌作用はBacterio-staticというよりBa-cterio-cidalであり,ストレプトマイシンの数倍の効果を示す。例えば試験管内で百日咳菌に対する最低抑制濃度はストレプトマイシンでは2.5γ/ccであるが,コリマイシンでは0.1γ/ccである。コリマイシンはこのように抗菌力が強力であるばかりでなく,耐性菌が出来難く,熱やpHに対する安定度が高いので臨床的に非常に使用し易いと思われる。水溶液はpH2-7の範囲で数日間放置しても効力に変化ない。
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