特集 第6回日本臨床眼科学会講演集(普通講演)
(6)網膜黄斑部毛細管血壓に關する研究(第2報)—體位による變動に就て(其の2)病的眼篇
宮崎 茂夫
1
1慈大眼科
pp.92-96
発行日 1953年2月15日
Published Date 1953/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201410
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血壓變動の因子の一つに體位が關係することは論を俟たぬ所であつて,眼科領域に於ても體位による變動を網膜中心動脈に就て検討した報告は以來少くないが,これを網膜黄斑部毛細管血壓(以下M.C.P.と略記)に就て正常眼に於ける検査成績を發表したのは,僅かに植村氏外數氏のみである。
筆者は眼底の機能的診斷法に關する研究の一端としてBailliart眼底血壓計を用い,植村氏内視現象法を應用してM.C.P.を種々検査しており,正常眼のM.C.P.の體位による變動に就ては巳に日眼誌上に報告したが,その際,水平仰臥時のM.C.P.は椅坐時の夫に比し7.420±2.251mmHg高位にあり,その椅坐より仰臥位への上昇變動率は27.648±2.45%であつたが性,年齡による差異のない事を發表したのである。然し乍ら,病的眼に於けるM.C.P.の體位による變動に就ては,著者の渉獵した範圍では從來未だ發表を見ない樣である。著者は今般諸種眼底疾患に於けるM.C.P.の體位による變動を調査して些か興味ある結果を得たのでここにその成績を報告する。
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