臨床實驗
網膜色素變性に對する胎盤移植術の經驗と之による網膜,毛樣體血壓,血管徑の變動,藥物負荷試驗成績等との關係に就て
堀田 倶寬
1
,
宮崎 茂夫
1
,
山田 春雄
1
1慈大眼科教室
pp.698-702
発行日 1952年9月15日
Published Date 1952/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201267
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緒言
網膜色素變性に對する治療法は現今迄多種多樣の報告があり,我教室でも間腦照射によつて明かに奏效する症例の少くないことを報告しているが,殘念乍ら常に長期に亙つて顯著なる效果を擧げ得ると考えられる療法は未だ發見せられていない。近來神鳥,青木氏等が網膜色素變性に對し牛腦下垂體,甲状腺其の他を移植して有效なる事を報告して居り,本療法の作用機序も間腦照射と同じく主としてホルモンによる眼内血管の擴張作用にあることが知られるのであつて,ことに神鳥氏は本移植の有效なることより本症に對して内分泌障碍説を支持しているが,凡そ種々の臓器療法の一時的にせよ奏效する事は唯單に網膜色素變性が内分泌障碍による以外に移植による一時的身體變調が更に加わつているものと推察する方がよいのではないか。
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